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お茶の水博士の体験授業

「お茶の水博士の体験授業」(平成16年3月20日(春分の日))

(文京区教育委員会後援)

お茶の水女子大学理学部では、本学部の教育研究の紹介と、一般の方に「理学」の面白さ、「自然」の奥深さなどを実感してもらうことを目的として、下記 の内容の講演会・体験授業を行いました。当日は冷たい雨の降る寒い一日でしたが、約200名の方にご来場頂き、楽しんでいただきました。

◆特別企画(会場:理学部3号館 7階 大講義室)
「虐待のメカニズムを考える---心理学、生物学からの考察」

◆講演と討論
社会的な関心も高い話題について、心理学、生物学という異なる専門領域からアプローチしていただきます。

10:30 〜 10:35 理学部長あいさつ
10:35 〜 11:15 講演 室伏 きみ子 理学部生物学科教授 (*1)
11:20 〜 12:00 講演 内田 伸子  大学院人間文化研究科教授 (*2)
12:05 〜 12:30 会場の皆様との質疑応答

(*1)室伏きみ子先生の講演内容:
「現代はストレス社会である」といわれており、人々は多くのストレスに囲まれて生きています。子ども達への虐待は、その成長や脳の発達に大きな影響を与える極めて大きなストレスです。虐待については、心理学的、精神医学的な研究が数多くなされていますが、私は、心的ストレスによって、生物体にどんな反応が起こるかを、生物学の立場から探ってみたいと考えています。これまでに私たちは、細胞がストレスに対してどの様に応答するかという研究から、動物個体のストレス応答反応の研究へと守備範囲を広げてきました。虐待のメカニズムを探るために、それらをどの様に応用したら良いかを、皆さんと一緒に考えてみたいと思っています。

(*2)内田伸子先生の講演内容:
現代の子どもたちはストレスの高い状況におかれ、不登校やひきこもりなどが社会問題化しています。少年犯罪も低年齢化し、ついに14歳が殺人を犯すという事件が起こりました。犯罪を犯した少年たちに共通するのは自分に自信がなく、心を通わせる 友人がいないという点です。おそらく身近な大人から、認められ愛されて育てられなかったためではないかと思われます。親の子どもへの接し方には大きくわけて二通り あります。第1に、乳児期から早期教育に走る親、レールを敷いて子どもをそのレールに沿って走らせようとしてやっきになる親。その一方で、第2に、親自身も孤立し、ストレスを感じ、家族の中で一番弱い幼い子どもにストレスのはけ口を求め、虐待に走る親。放置したり、力のしつけによって子どもを死に追いやる親すらいます。 一方は過度に愛し、他方は子どもを憎んでのことのように思われます。現象は確かに、逆に見えますが、子どもを自分の思い通りに支配しようとする点では両方とも同じです。このような歪んだ環境で育てられ心身ともに深く傷つきながら、見事に立ち直り発達をとげていく子どもたちの例をとりあげ、人間の発達の可能性はいかに大きいか、人間が発達する上で何が必須の栄養になるのかについて考えてみたいと思います。

◆公開講演(会場:理学部3号館 7階 大講義室)
身のまわりの「もの(物質)」-- その不思議そして素顔

14:00 〜 14:40 山田 眞二 理学部化学科教授
「「化学物質」〜嫌われものたちの素顔〜」(*3) 

14:45 〜 15:25 今井 正幸 理学部物理学科教授
「やわらかな物質が生み出すしなやかな世界」(*4)

(*3) 山田 眞二先生の講演内容
化学物質といえば恐ろしいものという印象が定着していますが、本当にそうなのか? 化学物質とはいったいどのようなものなのか。化学物質と天然物とはどこが違うのか。一化学者の目から、できるだけ客観的かつ公平な目で見た化学物質像を紹介したい。

(*4) 今井 正幸先生の講演内容
最近、私たちの身の回りに柔らかなものが増えてきています。例えば、ゲルは化粧品や食品の分野でもてはやされていますし、液晶テレビなどに使われている液晶、日用品の様々な場面で使われる高分子もこのような柔らかい物質の代表格です。さらにわれわれ生き物を形作っている生体膜やタンパク質も柔らかい物質のなかまです。一見、捉えどころがないこのような柔らかい物質がどのように姿を変えて、いろいろな世界を形作っているのかその奥に潜む不思議な世界を考えてみます。

◆体験! 講義・実験・実習 研究室公開
◇数学科
・体験授業
榎本 陽子 「ある確率の話」 1号館621室(11:00〜12:00)
確率はたぶんこれくらいだろうという前もっての予想が計算してみるとだいたいあたることもあれば、大きくはずれることもあります。それがなかなか楽しいといえます。身近な例で予想と計算をやってみましょう。

・パネル展示:1号館621室(11:00〜15:00)

◇物理学科
・物理学科ツアー (11:00 - 15:00) 実験室見学、理論セミナー
(1) 古川はづき 実験室見学 「超低温の世界を体験しよう」1号館101室 (11:00-15:00)
液体窒素は沸点77K(=-196℃)の液体です。この液体を用いて色々なものを冷やしてみましょう。日常では見ることができない、様々な珍現象を体験することができます。

(2) 小林 功佳  理論セミナー 「ナノの物質に電気は流れるか?」1号館201室 (11:00-11:20)
鉛筆の芯の材料である黒鉛は、電気を流す性質があります。
この黒鉛を小さくして、ナノの大きさ(1mの10億分の1) にしたら、電気は流れるでしょうか? 講演では、ナノの物質の性質は、私たちが日頃目にしているものとは、大きく異なることをお話しします。

(3) 奥村 剛  理論セミナー 「しずく、あわ、みずたま、さざなみの世界」
1号館201室 (11:20-12:20)
このシーズン、ウインタースポーツやドライブではサングラスやウィンドウの曇りに悩まされがちです。これには「濡れやすさ・濡れにくさ」といった表面張力の物理が深く関係しています。表面張力はとても身近で、工業的にも重要なのにもかかわらず最近の物理の教育・研究ではほとんど取り上げられてきませんでした。この講演では、皆さんのキッチンでもできてしまうような簡単で楽しい実験をいくつかお見せしながら、表面張力の物理の面白さに迫ります。

・パネル展示:1号館115室 (10:30-16:00)

◇化学科
・体験授業
(1) 森 義仁 「燃料電池とは?」1号館321室 (1回目11:00〜12:00 2回目13:00〜14:00)
水素ガスと酸素ガスを反応させて電気を発生させることができます。その反応からは水ができます。そして、水からは再び水素ガスと酸素ガスを作りだすことができます。水から水への循環を通じて電気を発生させる燃料電池の実験をします。

(2) 堀 佳也子 「液晶とキラリテイ」1号館321室 (1回目12:00〜13:00 2回目14:00〜15:00)
右手と左手のように、それ自身の鏡像体と重ならないことをキラリテイといいます。このような分子が液晶を構成すると、ラセン構造が生じて美しい色を示すことがあります。いくつかの例を見てみましょう。また、ラセン構造以外にキラリテイが誘起する現象についても簡単に説明します。

(3) 小川 温子 「酵素の反応を眼でとらえる」1号館321室 ( 展示実験11:00〜15:00 )
酵素は、生物が生きていくための反応を、体の中でスムーズに進める働きをしています。だから酵素が正しくつくられなかったり、活性を失ったりすると、病気や命にかかわるような異常を引き起こしたりします。この授業では、多くの生物に含まれ、研究にもよく使われる酵素をいろいろな固体の表面に付けて、酵素のはたらく様子を真近にご覧いただきます。

(4) 鷹野 景子 「コンピュータケミストリ入門」総合情報処理センター2階実習室
1回目11:00〜13:30(説明11:00〜11:30)
2回目13:30〜15:00(説明13:30〜14:00)
分子の形、分子の振動運動、分子軌道(分子の中の電子の様子)をコンピュータでシミュレーションします。例えば、水、アンモニア、二酸化炭素はどんな形をしているでしょうか。なぜその形をしているのかを考えます。

・パネル展示:1号館414室(11:00〜15:00)

・化学科入試説明会:1号館415室(全体説明15:00〜15:30、個別相談15:30〜)
担当:益田 祐一

◇生物学科
・体験授業  
最上 善広 「宇宙実験生物学」1号館401室(13:10〜13:50)
日本人宇宙飛行士の活躍や、日々の暮らしに密着した衛星の利用によって、宇宙は身近なものになり、宇宙の特殊な環境を利用した実験が可能になってきた。これまでの実例を示しつつ、宇宙実験の成果と今後の可能性を考えてみたい。

・生物学科見学ツアー(11:00 〜15:00)
実習室や共通機器室を見学するツアー。希望者に対して、随時行う。
生物学演習室(1号館402室)にて受付、スタート。

・パネル展示(研究室紹介):1号館402室 (11:00 〜15:00)

◇情報科学科
・体験授業・研究室公開
(1) 河村研究室 「環境シミュレーション」 3号館 409室(11:00-15:00)
情報科学と環境科学の接点として、空気や水の流れのシミュレーションを、本年度の卒業研究を中心にして紹介します。

(2) 金子研究室 「応用数理 ---- 数学と計算機が織り成す魅惑の世界」3号館 307室(11:00-15:00)
暗号プロトコル・誤り訂正符号・計算幾何学・画像解析・トモグラフィなどの、デモプログラムを実演し、教育用ゲームに参加して頂きます。また、受験希望者には、プログラミング体験入門講座を開きます。

・パネル展示:3 号館 3階、4階 、5階、7階の研究室前の廊下 (11:00 - 15:00)


「お茶の水博士の体験授業」(平成15年3月21日(春分の日))

(文京区教育委員会後援)

お茶の水女子大学理学部では、一般の方に「理学」の面白さ、「自然」の奥深さなどを実感してもらうことを目的として、下記の内容の講演会・体験授業を行いました。当日は天候にも恵まれ、約300名の方にご来場頂き、楽しんでいただきました。

◆ 情報と生命セミナー(理学部 3号館 7階大講義室)
10:00-10:05 室伏きみ子 理学部長 挨拶

10:05-10:45 座長 今野美智子
高井貴子 東京大学 情報理工学系研究科講師(理学部卒業生)
「計算機を武器に生命の仕組みに迫る」

10:45-11:25 座長 松浦悦子
山本直樹 理学部教授
「植物のシグナル伝達」

11:25-12:05 座長 佐藤浩史
細矢治夫 名誉教授
「宇宙の中のサッカーボールの発見」

◆ 理学部5学科による体験授業・パネル展示

◆ 特別講演(理学部 3号館 7階大講義室)
14:00-14:45 座長 室伏きみ子
土屋賢二 文教育学部教授
「理系人間の特徴」

◆ 理学部 新キャラクターの投票

◆ 平成16年度入試説明会・受験個別相談会