Introduction to Masuda Solution Science Lab.

ひとは,それぞれの持つ個性が,他者あるいはそのひとが属する社会と,協調あるいは時に反目しながら,各人の生きる方向やポテンシャルが,時とともに大きく,小さく,急速に,ゆっくりと揺らぎながら,人生を歩んで行く。一方,液体中での化学反応(電子移動(酸化還元)反応,プロトン移動(酸塩基)反応)あるいは,溶液を構成する分子そのものの並進,回転(配向)運動も,反応系や分子そのものの属性ばかりでなく,周囲を取り囲む溶媒との相互作用の多大な影響を受ける。図1 この相互作用は空間的かつ時間的に揺らいでいるので,反応や分子運動の行方は,短時間的には一見ランダムに見えるが,長時間的にはある種の方向性“個性”が見えてくる。*)
 ここでは,このような視点から,分子の並進,配向(回転)運動,あるいは電子移動,プロトン移動反応に対する溶媒の効果について,微視的,巨視的双方の立場から,核磁気緩和を通してどのように見えてくるかを興味の中心においている。

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*) このような“ひと”あるいは“もの”についての同様のとらえ方は、ある意味いくつかの東洋思想にも見られる
           たとえば: 上善水如(老子)、水は方円の器に随う(韓非子)、色即是空(般若心経)