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桜化会(OUCA)は、お茶の水女子大学化学科・関連大学院の卒業生・修了生と現旧教員でつくる会です。

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TOP講演会>元気に美しく歳を重ねるための行動変容〜肥満を防ぎ、しなやかな身体をつくる

2004.10. 2 OUCA講演会 「生活習慣病をめぐって」

―― 元気に美しく歳を重ねるための行動変容              
  〜 肥満を防ぎ、しなやかな身体をつくる ――


小林 正子
S47年化学科卒
国立保健医療科学院 生涯保健部 行動科学室長

 歳をとるとどうしても運動量が減少します。それは心肺機能の低下や骨・筋肉の衰え、体脂肪の増加を引き起こし、体力が低下したと感じるようになります。そのうち健康に自信をなくし、精神的にも不安になると、活動量がさらに減少して、ますます加齢に拍車がかかるという悪循環に組み込まれます。40歳前後から、からだの内も外も個人差が大きくなるのは、運動不足から始まるこうした加齢促進のループに組み込まれるかどうかによるのです。元気であるためには体力が重要で、まずは運動不足を防ぐことが第一のポイントといえます。
 また、年齢と共に、からだを維持するために必要なエネルギー(基礎代謝)が減少しますから、若いときと同じ量だけ食べていると、余った分は脂肪として蓄えられてしまいます。「食べてないのに太ってしまう」と思うのは、以前と比べて食べていないというだけと認識し、総カロリーを減らして栄養のバランスを重視する食生活を心がけることが必要です。
 と、このような理論を並べると、そんなこと分かっている、と思われるでしょう。そして「分かっているけどできない」ということになるかもしれません。しかし、本当に分かっていれば必ず行動変容できるはずです。でも、運動、そして食事、その両方を考えるのは大変ですね。ここで一石二鳥、いや三鳥の方法があるのです。それは、とにかく「運動すること」です。
 「ハァ?!」と思うなかれ。大変ありがたいことに『筋肉は適度に使えば発達し、使わなければ衰える、使いすぎると故障する』という法則があります。そしてこの法則は乳幼児を除いて何歳でも当てはまるのです。我々のからだは適度に鍛えることで若返ることが可能なのです。
 そして、筋肉を鍛えると骨も鍛えられ、筋量が増えると基礎代謝も上がります。これは食べても太りにくい体質になることを意味します。運動には@筋肉を鍛えるための運動、A体脂肪を燃やすための運動、の2種類がありますが、これをうまく組み合わせると効果が上がります。@はまず日常的に筋肉をきゅっと縮めることを心がけ、Aの代表は歩くことです。
 さらに、運動の効用として脳が鍛えられることも挙げられます。快適な睡眠も得られます。もう一つ忘れてならないのは顔で、顔にも表情筋という筋肉がありますから、これを鍛えれば・・・効果のあること間違いなしです。