ページの本文です。

学術論文

2016年11月15日更新

2015

Kamijyo, A., Yura, K., Ogura, A. (2015) Distinct evolutionary rate in the eye field transcription factors found by estimation of ancestral protein structure. Gene, 555 (2), 73-79.
地球上に最初にあらわれた脊椎動物の目の発生は、現在の我々の目の発生とどの程度違っていたのでしょうか?最初の脊椎動物がもっていた、目の発生を制御する転写因子をコンピュータで復元し、その形を我々がもつ転写因子と比較しました。(由良研)

Matsumoto, K.and Satoshi Shimada. (2015) Systematics of green algae resembling Ulva conglobata, with a description of Ulva adhaere sp. nov. (Ulvales, Ulvophyceae). European Journal of Phycology50: 100-111.
緑藻アオサ・アオノリ類は,まだ半数が生物学的な名前がついていない“新種”と考えられています。外部形態的に緑藻ボタンアオサと思われるサンプルを網羅的に分子系統解析にかけたところ,5種もの存在が示唆され,そのうちの1種を新種カサネアオサ(Ulva adhaere Matsumoto et Shimada sp. nov)として発表しました。(嶌田研)

Matsuwaki, I., Harayama, S. and Kato M. (2015) Assessment of the biological invasion risks associated with a massive outdoor cultivation of the green alga, Pseudochoricystis ellipsoidea. Algal Res.9時1分-7.
石油代替エネルギーとなる油脂を多量に合成し企業による実用化が進められている単細胞の微細藻類シュードコリシスティスを屋外開放系で培養した場合に、どの程度の距離を飛散するかを実際に屋外培養施設で調査した。また、培養施設から流出した場合の生残性を調べ、環境中の水に含まれる硝酸性窒素濃度が鍵となることを示した。(加藤研)

Nakayama, F.,Mizuno K. and Kato M. (2015) Biosynthesis of caffeine underlying the diversity of motif B’ methyltransferase. Nat. Pro. Commun. in pre .
お茶やコーヒーにような特殊な植物に含まれるカフェインを合成する酵素が植物界の中でどのように進化したかを考え、お茶やコーヒーがカフェイン合成能力を獲得した理由を考察した。(加藤研)

Kariyazono TS, Hatta M Bail-out of the polyp from the skeleton of spats in the scleractinian coral Acropora tenuis Galaxea, JCRS 17: 18-19 (2015)
ミドリイシサンゴの初期ポリプは出芽していても骨格から抜け出ることができることを発見。しかも体の基本形はヒドラと同じであることを直接示した。卒業研究の傍らでの成果。(服田研)

Takahashi, K., Yoshida, K., Yura, K., Ashihara, H. and Sakuta, M. (2015) Biochemical analysis of Phytolacca DOPA dioxygenase. Nat. Prod. Com. 10:717-719.
ナデシコ目植物に特異的な赤色色素ベタシアニン合成の鍵酵素であるドーパジオキシゲナーゼの生化学的解析を行い、活性中心の構造について進化的考察を行った。(作田研)

Takahashi, K., Yoshida, K. and Sakuta, M. (2015) Comparative analysis of two DOPA dioxygenases from Phytolacca americanaNat. Prod. Com. 10:713-716.
ナデシコ目植物のヨウシュヤマゴボウに存在する2つのドーパジオキシゲナーゼホモログの構造と機能について解析を行い、分子進化学的考察を行った。(作田研)

2014

Chie Shimamoto, Tetsuo Ohnishi, Motoko Maekawa, Akiko Watanabe, Hisako Ohba, Ryoichi Arai, Yoshimi Iwayama, Yasuko Hisano, Tomoko Toyota, Manabu Toyoshima, Katsuaki Suzuki, Yukihiko Shirayama, Kazuhiko Nakamura, Norio Mori, Yuji Owada, Tetsuyuki Kobayashi and Takeo Yoshikawa. Functional characterization of FABP3, 5 and 7 gene variants identified in schizophrenia and autism spectrum disorder and mouse behavioral studies. Human Molecular Genetics, HMG Advance Access published July 30, 1–17, 2014, doi:10.1093/hmg/ddu369
水が基本になって作られている生体内では、水分子に馴染まない脂質分子は特定のタンパク質(脂肪酸結合タンパク質)と結合して運ばれ、さまざまな機能を果たす。統合失調症や自閉症などの精神疾患の発症や病状に、ある種の脂質結合タンパク質が深く関わっていることをこの研究で明らかにした。(小林研)

Kawai, Y.L., Yura, K., Shindo, M., Kusakabe, R., Hayashi, K., Hata, K., Nakabayashi, K., Okamura, K. (2014) Complete genome sequence of the mitochondrial DNA of the river lamprey, Lethenteron japonicum. Mitochondrial DNA, doi:10.3109/19401736.2013.861432.
カワヤツメのミトコンドリアゲノムは、スナヤツメなどの他のヤツメウナギとどのように違っているのでしょうか?あまり違いがないのでしょうか?配列を決定して調べました。(由良研)

Matsumoto, K., Kensuke Ichihara & Satoshi Shimada. (2014) Taxonomic reinvestigation of Petalonia (Phaeophyceae, Ectocarpales) in southeast of Honshu, Japan, with a description of Petalonia tenuissp. nov. Phycologia53: 127-136.
千葉県ではお正月のお雑煮に入れる褐藻ハバノリ類。逗子地方のみの予備的調査において,既報2種に加えて第3の種の存在が示唆されました。調査域を拡大し,網羅的分子系統,培養実験等により第3の種の独立性や生態的地位の違いが明らかになり,新種キヌハバノリ(Petalonia tenui Matsumoto et Shimada sp. nov.)として発表しました。(嶌田研)

Masakiyo, Y. & Satoshi Shimada. (2014) Species diversity of the genu Ulva(Ulvophyceae, Chlorophyta) in Japanese waters, with special reference toUlva tepida Masakiyo et S.Shimada sp. nov. Bulletin of the National Museum of Nature and Science, Series B40: 1-13.
海岸にいけば,いつでもどこでも生育している緑藻アオサ・アオノリ類。日本中からサンプルを採集して,分子同定をおこないました。その結果,なんと半数は名前がまだ付いていない新種であることが判明しました。そのうちの1つ関東の夏場の海岸で繁茂するアオノリ類を新種ナツアオノリ(Ulva tepida Masakiyo et S.Shimada sp. nov.)として発表しました。(嶌田研)

Yoshizawa, E., Kaizuka, M., Yamagami, A., Higuchi-Takeuchi, M., Matsui, M., Kakei, Y., Shimada, Y., Sakuta, M., Osada, H., Asami, T. and Nakano, T. (2014) BPG3 is a novel chloroplast protein that involves the greening of leaves and related to brassinosteroid signaling. Biosci. Biotechnol. Biochem. 78:420-429.
新たなブラシノステロイド情報伝達因子BPG3を同定し、これが緑化制御に関わることを明らかにした。(作田研)
日本農芸化学会2014年度論文賞受賞。

2013

Ssakane, F.and Yasunori MIYAMOTO. (2013) N-cadherin regulates the proliferation and differentiation of ventral midbrain dopaminergic progenitors. Developmental Neurobiology73, 518-529
中脳ドーパミン神経は、パーキンソン病や統合失調症などの疾患に関わる神経として注目されている。この中脳ドーパミン神経の形成に、細胞接着を担うN-カドヘリンが関与していることを、マウスを用いた解析により明らかにした。(宮本研)

Terui, H., Akagi, K., Kawame, H., Yura, K. (2013) CoDP: predicting the impact of unclassified genetic variants in MSH6 by the combination of different properties of the protein.  Journal of Biomedical Science, 20, 25.
遺伝子にみつかる変異がさまざまな疾患の原因であることはわかってきていますが、具体的に変異が疾患につながるのでしょうか?変異位置と発病に対応関係があるのでしょうか?DNA修復タンパク質MSH6をコードする遺伝子にみつかる変異と大腸ガンとの関係を調べました。(由良研)

Kobayashi, E., Yura, K., Nagai, Y. (2013) Distinct Conformation of ATP Molecule in Solution and on Protein. BIOPHYSICS, 9, 1-12.
生体のエネルギー通貨として知られるATPは、教科書では2次元で描かれています。しかし細胞の中ではどのようなかたちをしているのでしょうか?タンパク質と結合している時は、そうではないときと形が違うのでしょうか?コンピュータシミュレーションによって、ATPの形状の多様性を明らかにしました。(由良研)

Matsumoto, K& Satoshi Shimada. (2013) Taxonomic reassessment of Chondrus verrucosus(Rhodophyta, Gigartinales), with a description of Chondrus retortussp. nov. Phycological Research61: 299-309.
小型なのに生殖器官を付けた紅藻“イボツノマタ”を発見しました。分子同定をおこなうと大型のものと別種であることが判明し,新種コマタ(Chondrus retortusMatsumoto et Shimada sp. nov.)として発表しました。(嶌田研)

大西舞、菊地則雄、岩崎貴也、河口莉子、嶌田智.(2013) 絶滅危惧I類に指定されている紅藻アサクサノリの集団遺伝構造. 藻類61: 84-97.
名前は有名な紅藻アサクサノリですが,2008年には生育地が8カ所しか確認できず絶滅危惧I類に指定されています。日本各地からのサンプルの分子同定により,汽水域のみから38カ所の分布地を確定することができました。系統地理学的・集団遺伝学的解析の結果,九州での多様性の高さや九州→関東→東北へと分布域が拡大したことが示唆されました。(嶌田研)

Kage, A., Hosoya, C., Baba, S.A. and Mogami, Y. (2013) Drastic reorganization of the bioconvection pattern of Chlamydomonas: quantitative analysis of the pattern transition response. J. Exp. Biol., 216, 4557-4566.
クラミドモナスの生物対流現象におけるダイナミックな挙動(パターン遷移現象)をはじめて報告した。クラミドモナスの生物対流パターンは相転移のように,突然サイズを変化させる。クラミドモナスの鞭毛運動の変化が,この現象のメカニズムを引き起こす可能性を示した。(最上研)

Matsuda, T.,Kanki, T., Tanimura, T., Kang, D. and Matsuura, E. T. (2013) Effects of overexpression of mitochondrial transcription factor A on lifespan and oxidative stress response in Drosophila melanogaster. Biochem. Biophys. Res. Commun. 430:717-721.
ミトコンドリア内ではたらく転写因子(TFAM)には,ミトコンドリアDNA(mtDNA)に結合してmtDNAを酸化傷害から保護する役割があると考えられている。この論文では,TFAMを過剰に発現させたキイロショウジョウバエの寿命が,酸化ストレスのある条件下では長くなることを示した。(松浦研)

2012

Niitsu, R., Kanazashi, M., Matsuwaki, I., Ikegami, Y., Tanoi, T., Kawachi, M., Watanabe, M.M. and Kato, M. (2012) Changes in the hydrocarbon-synthesizing activity during growth of Botryococcus braunii B70. Bioresource Technol.109:297-299.
石油代替エネルギーとなる油脂を合成する単細胞の微細藻類ボトリオコッカスが、光合成によって細胞内で固定された二酸化炭素からどのようにして油脂に変換されるかを解析した。(加藤研)

Oda, Y., Yui, R., Sakamoto, K., Kita, K. and Matsuura, E. T. (2012) Age-related changes in the activities of respiratory chain complexes and mitochondrial morphology in Drosophila. Mitochondrion12:345-351.
ミトコンドリアの構造や呼吸鎖複合体の活性が加齢にともなってどのように変化するかを,キイロショウジョウバエを用いて調べた。複合体Iの活性の減少やミトコンドリアの増大,クリステの断片化などの変化は,加齢が進んで死亡率が上昇する以前から認められ,このような変化の蓄積が老化につながることが考えられた。(松浦研)

2011

Kihara R.,Yoshinori KASASHIMA, Katsuhiko ARAI, and Yasunori MIYAMOTO (2011) Injury induces a change in the functional characteristics of cells recovered from equine tendon. Journal of Equine Science22, 57-60
競走馬の前足の屈腱の炎症である屈腱炎は、完治が難しく、競走馬の引退につながる疾患である。その屈腱炎により腱の性質が変わっているのではないかと考え、屈腱炎由来の腱細胞の細胞特性を調べたところ、コラーゲンの収縮特性や細胞移動能の低下を観察した。(宮本研)

Horimoto, R., Yuka Masakiyo, Kensuke Ichihara & Satoshi Shimada. (2011) Enteromorpha-like Ulva(Ulvophyceae, Chlorophyta) growing in the Todoroki River, Ishigaki island, Japan, with special reference toUlva meridionali Horimoto et Shimada sp. nov. Bulletion of the National Science Museum37: 155-167.
沖縄県石垣島の河口域に大量に生育するアオノリ類を発見しました。分子データ・形態データともに既報種とは異なっていることが判明し,新種ミナミアオノリ(Ulva meridionali Horimoto et Shimada sp. nov.)として発表しました。(嶌田研)

Kage A., Asato E., Chiba Y., Wada Y., Katsu-Kimura Y., Kubota A., Sawai S., Niihori M., Baba S.A. and Mogami Y. (2011) Gravity-Dependent Changes in Bioconvection of Tetrahymena and Chlamydomonas during Parabolic Flight: Increases in Wave Number Induced by Pre- and Post-Parabola Hypergravity. Zool. Sci., 28, 206-214.
生物対流現象に関わる重力の作用を,航空機を用いた変動重力実験(無重力を含む)を行うことで解析した。対流を作る生物によって重力効果が異なることを明らかにした。(最上研)
2012年日本動物学会論文賞(Zoological Science Award)受賞

Yui, R. and Matsuura, E. T. (2011) Selective transmission of mitochondrial DNA occurs in individual flies. Cytologia76:367-372.
キイロショウジョウバエに異種のミトコンドリアを導入すると,温度に依存してミトコンドリアの置換が起こることを以前に見出している。この論文では,このような置換がそれぞれの個体内で生じていることを,PCRを用いた微量のミトコンドリアDNAの定量によって確認した。(松浦研)

Hideko Tanaka and Tetsuyuki Kobayashi (2011) Characterization of a 62-Kilodalton Acidic Phospholipid-Binding Protein Isolated from the Edible Mushroom Pleurotus ostreatus. J. Health Sci. 57 (1), 99-106. doi:10.1248/jhs.57.99
細胞膜は、いろいろな構造をした脂質分子が多数集まってできている。食用キノコの一種であるヒラタケに、細胞膜を作っている脂質分子の一つホスファチジルグリセロール(PG)と特異的に結合するタンパク質を見出し、その結合の性質を明らかにした。PGは広く生物界に存在し、動物では組織・臓器・細胞小器官の分布に特徴があるが、その生物学的役割は良く分かっていない。このタンパク質を使って、今後PGの機能を探る道が拓かれた。(小林研)

2010

Matsushima K., Fujiwara E, Hatta M (2010 An unidentified species of acoel flatworm associated with the coral genus Acropora from the field of Japan. Galaxea, JCRS12: 51
サンゴの観察中に、サンゴの表面に擬態して潜んでいる小さなヒラムシを発見。DNA鑑定から未記載種と判明。新種発見の可能性はまだまだあります。(服田研)

Matsushima K., Kiyomoto M, Hatta M (2010) Aboral localization of responsiveness to a metamorphic neuropeptide in the planula larva of Acropora tenuis. Galaxea, JCRS 12: 77-81 (2010).
ミドリイシサンゴの幼生に変態を誘導する神経ペプチドホルモンは、体の反口端に受容能力が局在していることを明らかにした。(服田研)

Hosoya, C.,Akiyama, A., Kage A., Baba S.A. and Mogami Y. (2010) Reverse bioconvection of Chlamydomonas in the hyper-density medium. Biol. Sci. Space, 24, 145-152.
クラミドモナスでの生物対流発現の基礎となる負の重力走性行動のメカニズムを解明した。クラミドモナスは周りの液体の密度を大きくする(何もしなければ浮き上がってしまう状況にする)と,下向きに泳ぎ,通常とは逆向きの対流を形成した。これはクラミドモナスの重力走性が細胞体の前後の非対称性に基づくことを示している。(最上研)

Ayako Uchiyama, Yukari Arai, Tetsuyuki Kobayashi, Gabor Tigyi and Kimiko Murakami-Murofushi (2010) Transcellular invasion of MM1 rat ascites hepatoma cells requires matrix metalloproteinases derived from host mesothelium. Cytologia,75, 269-272. doi:10.1508/cytologia.75.267
がん細胞が組織に浸潤して転移するしくみについて、培養細胞技術を駆使して研究した。その結果、がん細胞の浸潤には特定の脂質分子が深く関わっており、宿主正常細胞とがん細胞の相互作用が重要であることを明らかにした。(小林研)

 

  •  
  • このエントリーをはてなブックマークに追加