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OGからのお茶大生物のススメ

2021年6月16日更新

OGからのお茶大生物のススメ

森 郁恵
名古屋大学大学院理学研究科 生命理学専攻 教授
ニューロサイエンス研究センター センター長

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2017年 紫綬褒章受賞
2006年 猿橋賞受賞 井上学術賞受賞

広範囲に渡る生物学領域の学部教育を少人数の同級生と受けられることは、お茶大生物学科ならではの魅力です。男性に頼れないことで、研究室では女性だけでなんでもやりました。その経験は、新しい学問を創成すること、新しい組織を創ることに、躊躇することなく、なりふりかまわずに行動することにつながりました。


川上 弘美
小説家
芥川賞および谷崎潤一郎賞の選考委員

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川上 弘美先生のメッセージをPDFでご覧になる場合は こちら


広瀬 咲子
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
生物機能利用研究部門 遺伝子利用基盤研究領域
主席研究員

SIP新たな育種体系の確立「ゲノム編集技術開発」研究代表者として

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 私は1977-1981年の間、理学部生物学科(細胞生物学講座)で学び、修士課程修了後、東北大学の理学部博士課程修了を経て、当時の農林水産省森林総合研究所及び農業生物資源研究所でポスドクとして農業研究現場を渡り歩きました(この間、結婚、出産、育児を兼業)。2009年に農研機構作物研究所に職を得て文部科学省ライフサイエンス課、研究所企画部署で研究マネジメントの経験を積み、現在は内閣府が主導する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「次世代農林水産業創造技術」の中で「ゲノム編集技術の普及と高度化」という課題に研究代表として取り組んでいます。
 近年、新しい技術として注目されているゲノム編集は多様な生物のゲノム上の狙った塩基配列を切断(その結果、修復の過程で変異が起こる)するという画期的な技術です。SIPの課題では狙った塩基配列を切断するだけではなく正確に書き換えるという技術の開発や、わが国の主要な農作物でこの技術を使えるようにするという目標があります。私たちの課題では使いやすいゲノム編集技術を作物・花き・樹木等の育種に利用できるようにすることを目指し、構造生物学、計算科学、酵素工学、分子生物学、植物病理学、植物生理学、育種学、園芸学などの多様な専門家たちがおよそ20の機関からが結集し、この課題に取組んでいます。異分野の研究者たちが協同して、新たなもの作り・技術開発に挑む面白さを実感できるプロジェクトです。
 開発された農作物のためのゲノム編集技術を使い、これまで十数年〜数十年かかっていた品種の育成を、数年単位にまで短縮し、消費者の多様なニーズに素早く的確に応える、「待ち望んだ」画期的な商品が生まれるのを楽しみにしていてください。
 現在は研究マネジメントに忙殺されていますが、学生時代に習得した電子顕微鏡や各種顕微鏡の技術を生かしてオリジナリティーのある研究をする夢はまだまだ捨てていません。  

 
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