研究概要
5)新規分子天秤の合成と分子スイッチへの利用
分子天秤とは、分子間相互作用の相互作用エネルギーを実験的に見積るための有機分子であり、二つの異なる分子内相互作用が働くコンフォマー間のエネルギー差を求めることで、相互作用エネルギーを見積もることが出来ます。本研究では、カチオンーπ相互作用を評価するための分子天秤を新たに合成しました。本分子天秤はAおよびBの二つの立体配座を有し、配座Aはカチオン-π相互作用利用により、配座Bはπ-π相互作用によりそれぞれ安定化されています。これら二つの配座の存在率を
1H NMRのカップリング定数により決定することで、両者のエネルギー差ΔGを求めることができました。また、溶媒および対アニオンのΔGに及ぼす影響を明らかにしています。本分子天秤の、分子スイッチ、有機分子触媒への利用を検討しています。
関連論文
- S. Yamada, N. Yamamoto, E. Takamori,“Synthesis of Molecular Seesaw Balances and the Evaluation of Pyridinium-π Interactions” J. Org. Chem. , 2016, 81, 11819-11830.
- S. Yamada, N. Yamamoto, E. Takamori,“A Molecular Seesaw Balance: Evaluation of Solvent and Counteranion Effects on Pyridinium-π Interactions” Org. Lett. , 2015, 17, 4862-4865.
《PREV》… 4)分子配列制御と固相反応
TOPへ戻る