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第7回日韓3女子大学交流合同シンポジウムに参加

2016年12月12日更新

 2016年12月6日から8日まで、韓国の梨花女子大学校において、梨花女子大学校と日本女子大学および本学の3大学の理系学生の交流を目的とした第7回「日韓3女子大学交流合同シンポジウム」が開催されました。本学からは、文部科学省特別経費(国立大学機能強化分)「グローバル女性リーダー育成カリキュラムに基づく教育実践と新たな女性リーダーシップ論の発信」事業の支援を受けて、13名の大学院学生と3名の学部学生、4名の教員が参加しました。シンポジウムでは、各大学から参加した学生が研究内容や研究成果について、英語で口頭とポスターで発表するとともに、各大学の教員代表から4件の特別講演がありました。本学からの世話人として、第1回から引き続き参加している生物学科由良敬教授に今回のシンポジウムの様子について報告してもらいました。

参加者集合写真ポスター発表の様子

由良教授の報告

由良 敬
お茶の水女子大学 基幹研究院 自然科学系
教授 (理学部生物学科)
生命情報学教育研究センター センター長

 理系学生の英語による研究発表能力の鍛錬、海外での研究会参加の訓練、および日韓女子大学の友好関係構築を目的として、6年前から日本女子大学、梨花女子大学、および本学の理系学生(学部生および大学院生)が、合同で研究発表会をおこなってきている。第7回目の本年度は、12月6日〜8日の3日間、本学からは学部生3名と大学院生13名、教員4名の総計20名で韓国梨花女子大学を訪れた。海外にはじめて渡航する学生もいるにもかかわらず、過去6回の開催経験のおかげで、全体として何の問題もなくシンポジウムを開催することができた。梨花女子大の準備に対するご努力には、いつもながら敬服する。

 数年前から行うようになった教員による基調講演により初日が始まり、その後に学生交流会、2日目は数学・統計学、物理学、化学、生命科学・薬学の4つのセッションにわかれた口頭発表、3日目は参加者全員によるポスターセッションがおこなわれた。学生主催の学生交流セッションは、例年同様うまくいったらしく、シンポジウム期間を通して、日韓の学生の交流を随所で見ることができた。第2日目の発表においては、韓国側からの発表が少なかったことが残念であった。ちょうど学年度末の試験などと日程が接近してしまったために、どうしても参加できない学生および教員がいた様子です。来年度以降の開催日程には配慮が必要であることがわかった。それでも発表した韓国側の学生は、流ちょうな英語で研究内容を次々と発表し、日本側はやや圧倒されるところがあったかもしれない。日本側の教員としては、学生の指導にがんばらねばと思った次第である。しかし今回は、日本側の学生が口頭発表に対して積極的に質問をし、各自の口頭発表に対する梨花女子大教員からの質問に対しても、何とか回答しようと努力していたことは、大きな収穫であった。口頭発表に対する学生からの質問がほとんどないことが、例年問題点としてあげられていただけに、今回のシンポジウムでは、明るい未来が見えたと思っている。第3日目のポスター発表では、日韓の学生および教員が各自のポスターの前で、討論している様子があちらこちらで見受けられたのもよかった。このような議論を通して、学生間や教員間の交流が深まっていくことが期待できよう。このシンポジウムから、ぜひとも日韓の共同研究が生まれてほしいと感じる。

 今回のシンポジウムでは、発表者の士気を高めることを目的に、梨花女子大側の提案で、ベスト発表賞を導入した。このおかげもあって、口頭発表の質があがったとも考えられる。参加教員による厳選な審査と審議にもとづき、梨花女子大から4名、日本女子大から3名、本学からは、稲垣志帆、川崎波留、中川真理子の3名が受賞した。今後もシンポジウムの活性化をいろいろと試みていきたい次第である。

 本シンポジウムは、学生間の交流と各自の研究を英語で他分野の研究者に紹介することを目標としてきた。日本女子大および本学の学生諸君は、10月から行っていた発表練習の甲斐もあり、口頭発表での質疑応答ができるようになったのは大きな収穫であった。学生諸君を韓国まで引率した意義は十分にあったと感じている。学生諸君にとっては、ソウルでの見聞と梨花女子大生との交流が、日韓の歴史や韓国の科学力を肌で感じるよい機会になったことは間違いなく、自身の現在と未来を考えるよい材料になってくれたと思う。このような機会を若いうちにもつことは、非常に重要なことであろう。本活動は、来年度以降もぜひとも継続していきたい次第である。

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