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スペースシャトル搭乗員と大学生との対話集会に参加

2010年8月2日更新

平成22年6月28日、アメリカ大使館において、同年4月に行われたアメリカNASAのミッション(STS-131)でスペースシャトルDiscovery号に搭乗した宇宙飛行士7人と学生との対話集会が催され、本学から理学部の学生10名が招待されました。集会には、宇宙に興味のある理学、工学の学生が、アメリカの学生も含めて約100名参加しました。
 初めにルース駐日アメリカ大使の挨拶があり、その後、NASAのビデオを観賞しながら、コマンダーAlan Poindexter氏がDiscoveryの宇宙飛行を紹介し、続いて、ミッションスペシャリスト山崎直子氏(本学高校卒)による宇宙飛行の説明と体験談、各宇宙飛行士の自己紹介がありました。今回のミッションでは、3名の女性がDiscoveryに搭乗し、国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングの際には、ISSに滞在中だったNASAのTracy Caldwell Dyson宇宙飛行士を含めて4名の女性が宇宙で一同に会しました。これは、今まで行われたミッションの中でも、初めてのことです。この後、7つのグループに分かれ30分に亘って各飛行士を取り囲んで学生との対話があり、引き続きレセプションが開かれました。

(本学世話人 化学科 今野 美智子)

Discovery号(ミッションSTS-131)の7名のクルー      []内はフライト回数
Alan G. Poindexter [2] コマンダー
James P. Dutton Jr. [1] パイロット
Rick Mastracchio [3] ミッションスペシャリスト
Dorothy Metcalf-Lindenburger [1] ミッションスペシャリスト(女性)
Clayton Anderson [2] ミッションスペシャリスト
Stephanie Wilson [3] ミッションスペシャリスト(女性)
山崎直子[1] ミッションスペシャリスト (JAXA,女性)

スペースシャトル搭乗員と大学生との対話集会に参加
前列左から,山崎直子,James P. Dutton Jr.,Alan G. Poindexter,Rick Mastracchio,Stephanie Wilson,Clayton Anderson, Dorothy Metcalf-Lindenburgerの各氏

クルーとの対話の感想  [対話したクルー名]

○理学部物理学科4年  小林 愛音  [James P. Dutton Jr.]
 宇宙飛行士の方々が笑顔で質問に答えてくださるのがとても印象的でした。 クルーのジェームズ・ダットンさんは、高校生くらいの時にNASAに宇宙飛行士になりたいと、手紙を書き、一生懸命勉強してパイロットになったそうです。私も夢を叶えられるように頑張ろうと勇気をもらいました。 また山崎直子さんは、宇宙から帰ってきた今は、今回のように講演をしたり、学校などで子どもたちにお話しをすることが大事な仕事であるし楽しみでもあると話してくれました。 もう一度宇宙へ行って、長期滞在をしたり月へ行ってみたいと、次の夢も語ってくださり、とても素敵だと感じました。私も国際的に活躍できて人々に夢を与えられる人になれるように、努力しようと強く思いました。 貴重なお話を聞くことができてよかったです。

○理学部化学科4年  小山 裕佳  [Clayton Anderson]
 今回の対話ではまず初めに、宇宙飛行士の方々がビデオを紹介しながら、宇宙での活動の様子、宇宙からみた地球の様子などを解説して下さいました。宇宙飛行士の方々のお話しを聞きながら、今まで自分にはとても遠い世界だと思っていた宇宙が、初めて自分とつながった世界に感じられとてもわくわくしました。 宇宙飛行士の方とのグループディスカッションでは、始めは緊張しましたが30分間楽しく過ごすことができました。私が参加したグループで対話したクレイトン・アンダーソンさんはとても気さくな方で、みんなの緊張をほぐして楽しくお話しして下さいました。ディスカッションの中でアンダーソンさんは、科学の分野において、日本とアメリカ、さらに他の多くの国々が協力していくことの大切さや、女性もそういった場でさらに活躍していく展望をお話しして下さりました。 今回の、宇宙飛行士との対話の会に参加したことで、国際的な視野を持つことの大切さや、科学の重要性を改めて感じました。私は化学を専攻しているので、自分の専門とする分野の勉強を頑張っていくことに加えて、より広い視野を持って科学の分野を勉強していけたらいいなと思います。

○理学部生物学科4年  辻 沙奈絵  [Alan G. Poindexter]
 人生で、スペースシャトルのクルー達と出会う機会などないと思っていました。今回の出来事は、これまでの自分の人生で(といっても、まだ20年ほどですが)最も印象に残ったことと思えます。限られた時間の中で、できるだけ多くのことを吸収しようと焦っている間に、対談は終了してしまいました。しかし、あの時のクルー達の輝く瞳が私の心には焼き付いています。  クルー達を初めて見たとき、それぞれが達成感を得たように、自信にあふれ、希望に満ちた表情をしているように感じられました。私が最も印象に残った話は、 “地球の外から見て、気づいた大事なこと”という質問に対するアレン・ポインデクスターさんの返答です。クルー曰く、私たち地球に住む生物たちが生きるために必要不可欠な大気というのは、宇宙から見ると非常に薄く、もろいそうです。地球の外からみて、その重要さと、それを守らなければならないということを改めて強く感じた、と話していました。これを聞き、宇宙飛行士の偉大さを私は感じました。クルー達の任務は、宇宙で多様な研究、調査、観測を行うことですが、彼らは地球のためという使命感を持ってその任務を実行しているのだということが伝わってきました。だから、宇宙から地球を見てそのように感じられたのだと思います。また同時に、クルー達の話している時の表情が、とても輝いていたので、宇宙とは本当に素晴らしい場所なのだということも感じ取られました。地球とは異なり、宇宙には重力がないため、シャトルでの生活や、さらにはクルー達の身体にさえ無重力が影響するそうです。重力がないということは、上下の見分けがつかないことになります。クルー達も最初は、シャトル内に上下の目印となるものを決めて、地上と同じように生活していたらしいです。そのうち慣れてくると、回転しても、さらには逆さまの状態などで生活していても、ある程度は上下の区別がつくそうです。しかし、シャトル自体が方向転換したり、回転したりすると、上下が分からなくなるということがある、と話していました。また、食事も一度開封したものを食べきるまでは、次のものを開けられないことが、聞いていて多少不便そうでした。シャトル内では、短期滞在のクルーであっても一日1時間はトレーニングを行っているそうですが、それでも宇宙にいることで身体は衰えていくのです。このようなリスクは前々からわかっているにもかかわらず、それでも宇宙への夢をあきらめない姿勢にとても感銘を受けました。また、搭乗前も非常に厳しいトレーニングを積み重ねてきたと思われるのに、“トレーニングはつらいものではなかった。それ以上に、宇宙へ行くことが楽しみで・・・”と話していたクルー達には、相当な情熱が感じられました。シャトルのクルーに選ばれるということは、決して簡単な道のりではないと思います。それでも、あきらめず、目標を達成するために挑戦し続けたクルー達を私も見習いたいです。一つのことにひたすらに打ち込み、それが達成されたときに、クルー達のようなあの輝いた気持ちになれるのだと感じました。今回の対談では、宇宙でのクルー達の経験について、貴重な話が聞けたのはもちろんですが、それ以上にクルー達の信念や宇宙にかける熱い思いを知る良い機会となった気がします。

○理学部情報科学科4年  金子 静花  [Stephanie Wilson]
 私たちの少ない知識・興味からの乏しい質問に対して、クルーの方々は笑顔で答えてくださり、また私たちの目線に立って、しかし視野を広げようと一生懸命答えてくださいました。また、小さいころから宇宙に興味を持っていた方が多く、自分のやりたいことに向かって努力し、達成すること、夢を実現できたことは本当に幸せそうでした。私も夢に向かって努力し、将来社会のためになれるよう頑張ろうと思いました。クルーとなり、宇宙へ行ったことはとっても素晴らしいですが、何より人としてとても素晴らしく、彼らのような大人になりたいと思いました。クルーとなって宇宙に行くために、「チームワーク」がとても重要らしく、本当にみなさん仲がよかったです。男女・国籍など問わず、世界中の人たちが彼らのように人類の発展を夢見て、心から仲良く協力できたらいいなぁと思いました。

○理学部化学科4年  東間 彩  [Rick Mastracchio]
 スペースシャトルの構造をはじめ宇宙の様子など宇宙飛行士の方々から直接お話を聞くことができました。 私がグループセッションでお話を伺ったマストラキオさんはとてもユニークで明るい素敵な方でした。マストラキオさんは精神力と身体能力の両方を生かせる宇宙飛行士に憧れおよそ10年間宇宙飛行士の選考に挑み続けたとおっしゃっていました。今回、科学に携わり未知のものに挑戦し続けている宇宙飛行士の方にお会いできたのは非常に貴重な経験となりました。私も、自ら選んだ道をあきらめない勇気を持ち、そして何よりも宇宙飛行士の方々のように、どんな時でも挑戦することを楽しみながら進んでいきたいと思います。

○理学部物理学科2年  栃岡 沙希  [Dorothy Metcalf-Lindenburger]
 私のグループでは1人一回以上は必ず質問する機会をもらい、30分という短い時間でもきちんと会話ができてとても充実していたと思います。自分の番が回ってきたとき、思っていた以上に緊張してうまく英語を喋れなかったのですが、目を見て質問を聞きとろうとしてくれたので嬉しかったです。その後の軽食をとりながらの対話では、宇宙飛行士の方々ととても近い距離でお話できて素晴らしい経験をさせてもらったと思います。私はこの日女性の宇宙飛行士の方とだけしか関わることができませんでしたが、女性ならではの悩みや苦労、逆に楽しみなどたくさんお話をうかがうことができました。 最後に山崎直子さんとお話したかったのですが時間がなくなり、握手だけしていただきました。 あんなに充実した一時間半はいままでになかったと思います。

○理学部化学科2年  久保 綾子  [James P. Dutton Jr.]
 私は今回、宇宙飛行士の方と直接お話しして、より日頃の勉強を大切にしたいと思うようになりました。 宇宙飛行士の方には、小さい頃から数学や科学が好きだという方が沢山います。しかし、数学や科学の勉強は、宇宙飛行士の仕事には直接役に立つものではありません。それでも、今でも数学や科学が好きなのか、私は気になっていました。今回、宇宙飛行士の方と直接お話しして、仕事内容の理解にそれらの基本的な知識が多いに役に立っていること、そして、今でも数学や科学が好きであることを知ることができました。 私は化学を専攻していますが、大学に入学してから、数学や物理学にも興味を持ち始めました。しかし、それらは化学を学んでいく上で役に立たないように思われました。また、いずれ専門分野が決まれば、せっかく学んだ化学の他分野の知識さえ無駄になるのではないかと、不安に思うこともありました。しかし、決してそんなことはないということが、宇宙飛行士の方とお話しして分かり、安心しました。宇宙飛行士の方は、最後に、自分の好きなことをよく勉強しなさい、とおっしゃいました。私は、これからも専門分野にとらわれることなく、面白いと思ったことを何でも勉強していきたいと思います。

○理学部生物学科3年  小川 允子  [山崎直子]
 大使館へ赴き、宇宙飛行士の方々から直接お話を伺うという滅多にない機会を得られたのはとても嬉しかったです。ディスカバリーの活動報告を詳しく聞き、宇宙への関心も高まりました。質疑応答では、私は日本の山崎宇宙飛行士のグループだったのですが、私達学生の質問にも親切に、丁寧に答えてくださり、非常に気さくな方だと感じました。同じ女性として、また一人の人間として尊敬に値する方でした。山崎さんからいただいた言葉を胸に、私も頑張りたいと思いました。

○理学部情報科学科2年  田中リベカ  [Rick Mastracchio]
 このたびは、貴重な体験をさせていただき大変光栄でした。 グループでの質疑応答のあと、個人的にお話をさせて頂くこともできました。 非常に印象的だったのは、「宇宙への出発に際して不安はありましたか?」という質問に、「不安を感じないほど多くの訓練を積んだ」「本当に飽きるほどの訓練をして、早く宇宙に行きたいという気持ちだった」とおっしゃったことです。どんなに準備をしても、想定外のことが起こる可能性は否定できないと思います。それにも関わらず不安を感じないのは、絶対大丈夫だと思えるようになるまで訓練を重ねたからこそなのだと思いました。私たちはともすると訓練は目的を達成するために行うものだと思いがちです。しかし宇宙飛行士の方の言葉から、訓練は本来目的を達成するためでなく、自分の内面の備えをするためにするものなのではないかと感じ、そのことが深く胸に落ちました。 全体を通して抱いた印象は、宇宙飛行士の方々も「案外に普通なのだ」というものでした。勿論、非常に能力が高く選び抜かれた方々ですから、普通だというと語弊があるかもしれません。私が感じた「普通」とは、生まれつき特別なものを持っていらしたわけではないということです。今の私共のように学生でいらした頃から今に至るまで、1つ1つご自分で獲得されたものの蓄積が宇宙飛行士の方々の今を形作っているのだと思うと、深く感じるものがありました。自分の前に広がっている可能性の大きさに改めて気づき、今の状況に甘んじていてはいけないと強く感じさせられました。私は宇宙飛行士になることを目指しているわけではありませんが、日々挑戦の場に自分を置くことは可能です。自分の持ち場である専門分野でより高いところを目指し、より一層学問に励んでいきたいと思います。

○理学部化学科3年  藤木 さゆり  [Clayton Anderson]
 宇宙飛行士の方々と直接お話できる機会なんてなかなかないので、今回このような機会を得られたことを非常に幸運に思います。 ディスカバリーの活動報告の映像で見たクルーの方々はとても楽しそうで、いい意味での子供っぽさみたいなものを感じました。幼い頃に抱いた夢を純粋に追いかけ続けた方々なのだと思いました。 ディスカッション後の対談時に、山崎直子さんが、「興味を持ち続けることが大切」だとおっしゃっていました。自分が興味を持ったこと、面白いと思ったものに向き合って追求し続けていくことが、人生を充実させる手段と感じさせられました。これからの人生を充実させるために、私も様々なことに絶やさず興味を持ち続けようと思います。
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