第3回 お茶の水女子大学ホームカミングデイ(化学科共同企画)
2009年10月10日(土)
子どもを科学へ誘う・・・家庭やグループで出来ること
〔サイエンスくらぶ〕での20余年
お茶の水女子大学 S33年化学科卒 平井 崇子
1. はじめに
研究所に23年間勤務した後、子どもを科学へ誘い、各人のふしぎな発見の手伝いができたらと願って科学読物研究会に入会。各国の理科教育を調べる中で、民間でなら自由なプログラムで学ぶ場を提供できるとの想いで、1988年に地元小金井市に「かがくくらぶコスモ」を設立、子ども達の旺盛な好奇心とエネルギーに支えられて20年余になる。
その他、サイエンスくらぶ、図書館、文庫での科学ボランティアや、子どもの科学読物の紹介、科学遊びに関する成人向け講座の講師もしている。
本日は、これまでの試行錯誤で続けてきた実践の一端を、子ども達の映像中心に報告する。
2. 概要
| 1. | 目指したい事と進め方、ならびに大事に思っている事
| ・ | 方針 科学する心・考える力・自然への豊かな目の育成 |
| ・ | 進め方 簡単な物づくりに基づく科学的現象の理解、科学遊び、科学絵本の活用
| 企業での20年余の研究生活や子どもの頃遊んだ体験を生かして、子ども達の科学に対する好奇心に灯をともし、自然への完成を育む手伝いをする。 |
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| ・ | 大事なこと
| ‐ | 科学への興味や夢を広げ、得意分野を見つけることへの援助 |
| ‐ | 分子、原子まで立ち入り、自然の科学的なしくみを学ぶ場の提供 |
| ‐ | 実験や物作りの重視、創造力・考える力を伸ばし探求する喜びの習得 |
| ‐ | 生命の歴史の中におけるヒトを認識し、自然への豊かでやさしい眼を育成 |
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| 2. | 科学を楽しむ子ども達:具体的な実施例
| (A) | 家庭は科学の宝庫
| ・ | 作る喜びと壊す楽しさ・・・・・共同作業の体験 |
| ・ | 牛乳パックなど身近な材料で・・作る楽しさと動きの面白さ |
| ・ | ダンボール箱で・・・・・・・・圧力の不思議を実感 |
| ・ | 家庭用品を使って・・・・・・・温度、圧力と体積の関係を体験 |
| ・ | 伝統も科学遊びに・・・・・・・体験してわかる先人の知恵 |
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| (B) | 空気を考える
| ・ | いつも1億倍の分子模型で・・・分子で科学現象を考える |
| ・ | 見えない空気・・・・・・・・・体験してわかる気体の存在 |
| ・ | 燃えるってどんなこと・・・・・酸化とは何かを考える |
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| (C) | 大きな分子
| ・ | 少し大きな分子のロウ・・・・・融点がない特質を利用して |
| ・ | 身近で魅力的な高分子・・・・・大きな分子の特性を考える |
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| (D) | その他
| ・ | 光の反射・・・・・・・・・・・平面鏡や円筒状の鏡を使って |
| ・ | 電子やイオンってなーに・・・・静電気と野菜の中のイオン |
| ・ | 月の満ち欠け・・・・・・・・・月と地球の模型を作って動かして |
| ・ | 数学のあそび大好き・・・・・・多面体、モビール、錯視立体を作る |
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| (E) | 自然の中で
| ・ | 自然観察会も一過性でなく・・・海辺での生き物に触れて |
| ・ | チョウの観察・・・・・・・・・生きものに親しむ |
| ・ | 小さな実験での予期せぬ発見・・植物の成長、食品添加物の影響 |
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3.おわりに
先輩諸氏の実践例も生かして、目標達成を目指してきた。「かがくくらぶコスモ」などで活動してきた中の1例を、子ども達の生き生きとした写真を中心に報告したが、実際は当初の目標に未だ程遠い。
今後は、同じ想いの方々から学び、交流を深め、更なる発展を目指したい。
「かがくくらぶコスモ」代表 平井 崇子