海外留学体験記
渥美 裕子
私は、お茶の水女子大学の湯浅年子記念特別研究員として、またフランス政府給費生として、化学の分野ではフランスで第1位のストラスブールのUniversite Louis PasteurのLaboratoire de Chimie QuantiqueでDr.Chantal Danielの下、高速なコンピュータを使いながら、二つの研究テーマに臨んでいます。
一つは大きな金属錯体の理論的解析をしていて、もう一つはベルリンから来た共同研究者のスペイン人の女の子と一緒にチェコの先生のDNAに関する実験を理論的に解析しています。今までにしたことのない高精度の計算を、最先端の研究所で素晴らしい先生から直に教わることのありがたさは言葉では表しきれません。
もちろん研究ばかりでなく、お茶の時間には研究室の皆で研究者、事務官、学生みんなで理論化学から最近の映画の話題まで楽しくおしゃべりしています。ここはフランス人がほとんどですが他にも多くのヨーロピアンがいて、男の人も女の人も本当にみなさん親切です。
先日、私が何気なく男の子の後ろを歩いていたら、「Michiko,フランスでは女性は男性の前を歩くんだよ。」といわれたり、異なる文化を心地よく感じながら本当に毎日を楽しく過ごしています。そして尊敬する坂井光夫先生の“若い時に留学することが必要である”とのお言葉を日々実感しながら、今日も研究とヨーロピアンとのおしゃべりを楽しんでいます。