海外留学体験記
小川 裕美
私は2004年3月から半年間、大学間交換留学制度を利用し、オーストリアのウィーン中心部にあるウィーン工科大学の無機化学研究室に所属しました。
―研究テーマ―
基本的にはその研究室で行われている研究をします。私は修士1年では土壌汚染物質の分解について研究していましたが、留学を機に研究室のメインテーマである自触媒反応についての研究に切り替えました。
―語学―
オーストリアはドイツ語圏です。しかし、研究室では英語が使えるので問題はありませんでした。日常生活でも、ドイツ語がわからなくてもあまり支障はありません。
―生活―
基本的に交換留学の提携している大学の寮に入れます。ウィーン工科大学には寮はなにので、地下鉄とトラムで30分ほどのところで一人暮らしをしました。
―費用―
奨学金獲得はできなかったので、全て自己負担でした。ウィーンでは1ヶ月400ユーロほどで生活できます。私の場合は、家賃230ユーロ、生活費(食費、外食、雑費など)100ユーロ、でその他、交際費、バスチケットなどがかかりました。
―留学を終えて―
留学を決意する際に、語学の心配が第一に浮かびました。
短期の語学留学をしたことはありますが、日本に帰ると英語の勘も鈍ってしまいます。また、化学をやるための英語は全くといって経験がなく、半年という短い時間で研究を進めることができるか不安だらけでした。
実際は、会話も研究もスムーズに進み、語学・化学ともに自分を高めることができました。ウィーンの研究室では物理や電気化学などさまざまな専門分野を持つポスドクが一つの研究室に在籍していたので、いろいろな角度から研究・考察し、幅の広い研究ができたこと、そして歴史あるヨーロッパの化学に触れたことが、大きな収穫です。